「石窯mini」の開発は、現代のデジタル化する生活と「アナログ的な良さ」を融合する試みから始まりました。火を使う原始的な調理方法を通じて、再生エネルギーの利用、地球温暖化問題の認識、そして物理的な加熱原理への理解を深めることを目的としています。また、石窯を使ったピザ作りは、子供から大人まで幅広い世代に自然との触れ合いと食育を提供します。
開発者の桐原氏は、子供たちや地域社会の教育向上への貢献を目指し、「石窯mini」の開発に至りました。彼の熱意と革新的なアイデアは、この製品を通じて多くの人々にポジティブな影響を与え、新しい経験と学びの機会を提供しています。
ロビームの石原は、2022年9月に移動式石窯の開発者に会う機会がありました。そこで目の当たりにした「石窯mini」とその背後にある開発ストーリーに強く感銘を受け、開発に携わることになりました。
開発ストーリー「ピザを焼いて、絆を深めたい。」
石原良太郎のキャリアと挑戦
「石窯mini」開発会社代表の石原は、横浜国立大学を卒業後、明治製菓に入社。40年の長きにわたり、薬品営業(山梨医大担当MR)や新事業開発に従事しました。明治スポーツプラザや道南食品株式会社に派遣され、15年にわたり、代表取締役として経営を牽引しました。様々な業界での経験を活かし、2017年に株式会社ロビームを設立しました。現在、国家試験(厚労省)の委員としての業務にも従事しております。https://x.gd/YOu6v
石原は「人のため、楽しく、全力で」を信条とし、介護、健康、SDGsに関連した事業を展開する一方で、「地域を元気にする」ことを軸に、数々の新しいプロジェクトを立ち上げています。
石窯mini開発のきっかけ
石窯miniが生まれたのは、友人宅で振る舞われた一枚のピザがきっかけでした。開発途上の石窯miniで焼かれた香ばしいピザと、その場に広がる笑顔の輪。石原は「この体験をもっと多くの人に届けたい」と強く感じました。
その後、長野県松本市に拠点を置くNPO法人「石窯スマイル研究会」の開発者、桐原眞幸氏と出会い、石窯miniの開発協力がスタートしました。桐原氏が提唱する「自然の力を活かした料理」の考え方に共鳴し、機能性と使いやすさを兼ね備えた石窯を作るための挑戦が始まったのです。
技術とデザインの試行錯誤
桐原氏による開発の過程では、炭火を効率的に燃焼させるための「煙突効果」や、ピザを均一に焼き上げる「輻射熱」の効果を徹底的に研究しました。また、軽量でコンパクトな設計を追求し、住宅街でも使用できる「無煙構造」を採用。これらの技術で、実用新案(登録第3241721)を取得しました。桐原氏が長年培った技術の経験が存分に活かされています。https://x.gd/fagOF
同時に、意匠登録(登録第1747706)を取得するほど美しいデザインにもこだわりました。「石窯miniを単なる調理器具ではなく、家庭やアウトドアのシーンを彩るコミュニケーションツールにしたい」という桐原氏の想いがカタチになっています。
SDGsと環境教育への取り組み
石窯miniは、家庭やアウトドアで本格的な料理を楽しむだけでなく、持続可能な社会への貢献も視野に入れた製品です。炭の利用は環境に多くの好影響をもたらします。地域の森林資源を活用した炭の生産は、持続可能な森林管理を促進し、生態系の保全にもつながります。このように、炭の活用は環境保護と持続可能な発展を両立させる手段となっています。
また、地域イベントや学校でのピザ作り体験では、子どもたちが「エネルギーの大切さ」や「地域資源の活用」について学ぶ場としても活用されています。
製品化までの道のり
多くの試行錯誤を経て、石窯miniは完成しました。2023年には「かわさき起業家オーディション」で6つの賞を受賞し、その革新性が評価されました。また、2024年3月にはクラウドファンディング「マクアケ」で52台を販売し、総売上265万円を達成。支援者からのフィードバックをもとに製品の改良を続け、川崎ものづくりブランド認定、川崎市ふるさと納税返礼品登録など、さらに多くの人々に愛される商品として成長しています。https://youtu.be/GoMWA5g5ahs
マクアケで応援購入していただいた時点では、量産の目処が立っておりませんでした。3Dプリンタの型の設計変更にはじまり、材料の再選定、試作を繰り返し、ようやく、5月初旬、作業工程の確立ができました。https://youtu.be/tLc70YAQZrc
約1トンのコンクリートを破棄処分しました。最終納品は期限ギリギリの7月末でした。量産技術は、製品開発とは別次元であることを痛感しました。仕入、在庫、輸送、梱包、販売システム、全てが手探りでの出発でした。
石原の願い
「石窯miniを通じて、人と人とのつながりを深め、地域を元気にしたい」。石原のこの願いは、製品の中に込められています。家族や友人と過ごす特別なひととき、そして地域との絆を感じられるピザ作り。石窯miniは、ただの調理器具ではなく、笑顔を生む道具として誕生しました。
もともとの開発者である松本市在住の桐原 眞幸氏 (NPO法人 石窯スマイル研究会 代表理事) は、地元の小中学校へピザ焼きの体験授業を提供することで、地域社会と子供たちの教育に貢献したい、という想いがありました。そこで、何年もかけて改良を行い、七輪を使った持ち運べる小型の石窯の開発に至ったそうです。こうした桐原氏の活動に感銘を受けた私 (石原) は、この石窯を世の中へ広めるお手伝いをしたいと思い、新たに「石窯mini」として量産体制や販売網の確立を目指すことになりました。そんな長い年月をかけた「石窯mini」の魅力について詳しくご紹介しています。https://x.gd/zBlfP