仮想通貨NEM、わずか5分で580億円流出
「財界」の昼食セミナーに参加しました。余りの衝撃に椅子から滑り落ちそうになりましたのでご報告します。演題は「仮想通貨NEM、わずか5分で580億円流出 仮想通貨とは何、盗まれるリスク」。講演者はレオンテクノロジー社のホワイトハッカー守井社長です。防御側をホワイトハッカーと呼ぶそうです。仮想通貨流出問題に絡めてコンピュータセキュリティについての講演でした。2018年の10大脅威には「仮想通貨」絡みの脅威がランクインを予想。今回のコインチェックの問題は、直後にマーキング技術が公表されたりしてきな臭い、もっと大きな被害がでるかもしれないとのこと。
仮想通貨は「・送金手数料が安く決済や海外送金の利便性が高い・価格変動は少ない・ブロックチェーン技術により不正な行為は防げる・デジタルであるため流動性が非常に高い」はずであったが、「通貨」としての安全性が保証されていないのが問題。このままでは、「・投機で泣く・盗まれて泣く・詐欺に遭って泣く・無価値なものになる」かもしれない。
守井社長は守りより攻撃が得意だそうで、実際に某銀行や政府機関をハッキング寸前までやってみせてくれました(凄)。個人対策として「取引所やウォレットなど重要なサイトはブックマークしておき、必ずブックマークからアクセス」「セキュリティ対策製品で最新定義ファイルに更新し、フルスキャンの実行を週に1度は実行」とのことでした。質疑応答で「仮想通貨」と「金融機関」とどちらが安全か? の質問に対して、「仮想通貨」の方が手順が多い分危険だとの答でした。
「やる気になれば、俺、1週間あれば50億円くらいは盗んだ仮想通貨を換金して作れます」すごい自信と能力です。冗談にしても…。魅力的な方であることは30秒でわかりました。参加者にコンピュータ業界の人が少ないためか、乗りが悪く守井社長、気の毒でした。